耐震補強工事体験者の声

耐震改修工事を意識したきっかけは?

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近所で鉄骨住宅の解体工事があったんです。大きな重機が入りまして毎日震度4ぐらいの揺れを感じました。しばらくすると2階の軒天がはがれ、次にトイレの壁と床のタイルにヒビが入りました。最後は2階の壁が平行四辺形に曲がってしまって……。当然、建築業者が補修をしてくれましたが、自宅の耐震性が大変心配になってしまいました。それで以前から北区の冊子などで知っていた簡易耐震診断を受けることにしたんです。
この家は昭和46年から47年にかけて主人の一級建築士の先輩が設計して建てました。だから主人は愛着が強く、耐震補強工事には前向きではなかったのですが「普段、家にいるのは私よ」と話したところ納得してくれました。

工事を決断した理由は?

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簡易診断の申込みを電話でしたら区役所の方がすぐ来てくれました。目視で簡単にですが診断をしてもらうと評点は0.36。地震が起きても倒壊しない1.0とはほど遠い数字でした。そこで北区に一般診断を申し込んで一級建築士の方に来ていただきました。報告書の評点は0.53でやはり「倒壊の可能性が高い」ということでした。そのことで工事をする決心がつきました。
ちょうどその時、東京ビッグサイトで住宅のリフォームフェアがありまして、主人が行ってくれたんです。主人はもともと家の構造などに興味があって、使いたい金物とかがあったようです。フェアではその金物を使って工事をしてくれる業者がいて、費用も安くできそうだったのでお願いすることにしました。

工事内容と費用は?

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工事内容は

  • 南側の開口部を一部潰して耐震壁を設置
  • 東、西、北側の外壁に筋交いブレースを設置
  • 西側に耐震壁を設置
  • 北西の角に基礎と柱をつなぐホールダウン金具を設置
  • 1階押入れの左右奥、3面の壁に耐震壁を設置
  • 室内の壁1カ所を耐震壁に改修
  • 2階南東、北西の角に耐震壁を設置

です。工期は約3週間で終わりました。その間の居場所や寝床はどうしようと考えていましたが、工事をする範囲を日によって細かく分けてくれたので、「1階を工事しているときは2階で」、「2階を工事しているときは1階で」という具合に日常生活も寝る場所も不便を感じませんでした。
費用は230万円弱で、そのうち50万円は北区から助成金が出ました。助成金は申請が面倒だと思っていましたが、施工業者がすべて書類を作ってくれて全然負担ではありませんでした。

―改修工事後の気持ちと住み心地は?

写真:屋内

最近もハイチやチリで大地震がありましたよね。東京もいつ来るかわかりません。でも今は「この家なら潰れない」と安心です。住み心地の悪くなった部分は一つもありません。それに工事前に押入れの中身を出したら、いらないものばかりで、整理できたのも意外にうれしいことでした。