2. あなたの家は大丈夫?

震災犠牲者の8割は建物の倒壊で

平成7年の阪神淡路大震災では多大な人命が奪われました。死亡要因の内訳は、地震による揺れ等による直接死が85.6%、残る14.4%が関連死(例:震災によるストレスが原因での死亡)によるものでした。
また、直接死の要因は、平成7年の「神戸市内における検死統計」(兵庫県監察医)によると、その83.3%が建物倒壊等による死亡でした(図参照)。
大地震への対策を考える上で、建物の耐震化がいかに重要であるかがお分かりいただけると思います。

阪神淡路大震災による直接死による死亡要因

昭和56年以前の建物は注意!

阪神淡路大震災で倒壊した建物の多くは、昭和56年6月以前に建てられたものでした。昭和56年6月に建築基準法の耐震基準が大幅に強化されており、それ以前の建物は耐震性が不足している可能性が高いからです。平成17年度末現在の都内の住宅は約558万戸。そのうち必要な耐震性を満たしていない住宅は約133万戸(23.7%)と見込まれています。阪神・淡路大震災の全半壊は約25万戸。同等の震度7クラスの大地震が都内で起きれば、極めて大きな惨事になるということがご理解いただけるはずです。

被害が集中したのは昭和56年以前の建物でした

お住まいの地域の危険度は?

地震のゆれは、「震源特性(地震の規模)」、「伝搬特性(震源からの距離)」、「地盤特性(表層地盤のかたさ・やわらかさ)」などによって決まります。
地震の規模(マグにチュード)や震源からの距離が同じであっても、表層地盤の違いによってゆれの強さは大きく異なり、表層地盤がやわらかな場所では、かたい場所に比べてゆれは大きくなります。

「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」

内閣府が作成している、「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」では全国を1km四方に区切り、どの地域が相対的にゆれやすいかを表しています。区部東部は、多摩地域などと比べゆれやすい地盤で覆われており、ゆれがより大きくなることが分かります。
防災対策上、建物所在地の状況を知っておくことが重要です。

表層地盤のゆれやすさ(東京都)

また東京都では、おおむね5年ごとに地震に関する地域危険度測定を実施し、結果を公表しています。地域危険度測定では地盤の特性だけでなく、建物の種類や棟数、出火や延焼の可能性などにより、町丁目ごとに「建物倒壊の危険性(建物倒壊危険度)」、「火災の発生による延焼の危険性(火災危険度)」、「建物倒壊や延焼の危険性(総合危険度)」をそれぞれ5段階にランク付けして評価しています。建物所在地の地震による危険性をぜひチェックしてみてください。
東京都都市整備局HP http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm

まず耐震診断を実施しましょう!

大地震が発生した場合、建物はあなたや、あなたのご家族の命を守ってくれるのでしょうか。それとも命を奪う原因になってしまうのでしょうか。地震から命を守るのも、地震で命を失うのもあなたの建物次第なのです。
建物の地震に対する安全性は、建築年時や地盤の良し悪しだけで決まるものではありません。建築当初の設計やその後の劣化状況など様々な要因を総合的に勘案して判断する必要があります。それを行うのが「耐震診断」です。
耐震診断は、建築士などの専門家が実施します。費用は、建物規模等にもよりますが、木造住宅の場合、概ね10万円~20万円程度(図面ありの場合)と言われています。これは、壁の仕上げ材をはがして隠れた部材を確認するようなことはせず、図面や目視で調査する範囲のものです。また、鉄筋コンクリート造の場合、床面積あたり500円~2000円程度と言われています。例えば、1フロア当たり200m²程度の10階建ての建物の場合(延べ床面積が約2,000m²)、100万円~400万円程度が必要になることになります。
また、耐震診断の結果で補強が必要とわかった場合、補強工事を行うための補強設計を依頼することになり、別途費用がかかります。

  木造住宅 鉄筋コンクリート造建物
診断費用 (木造住宅1棟当たり)
10万円/棟~20万円/棟
(床面積1m²当たり)
500円/m²~2,000円/m²
備考 建築当時の設計図がある場合。建物の形状または築年数により異なります。 建築物の形状・構造、診断の程度、設計図書の有無、現地調査の有無により異なります。

耐震診断は信頼できる専門家にお願いしましょう!

耐震診断は、信頼できる専門家に依頼することが大切です。東京都では木造住宅の耐震診断を実施している一定水準の技術力がある建築士事務所を登録・公表しています。お住まいの地域の登録事務所を是非チェックしてみて下さい。

木造住宅の耐震診断事務所の登録・公表

 木造住宅の耐震診断事務所の登録・公表

安心して耐震診断を実施できるよう、一定の要件を満たす耐震診断事務所を東京都が登録・公表しています。

参考文献

内閣府
内閣府HP
兵庫県
東京都

防災白書 平成21年度版
http://www.bousai.go.jp/index.html
阪神・淡路大震災の死者にかかる調査について(平成17年12月)
東京都耐震改修促進計画(平成19年3月)